害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修
害虫辞典
オオハリアリBrachyponera chinensis Emery
ハリアリ亜科(Ponerinae)に属するアリは日本から14属40種記録されています。
この仲間は腹端の毒針で人を刺し、とくに被害の大きいオオハリアリは本州、四国、九州に分布し、生息範囲が広くて家屋内の木材や野外の朽木、海岸から地下
にまで及びます。鉱山の地下800mの深い所でオオハリアリが発生しておおきな問題になったことがあります。たぶん、地上から運び込まれた木材についていたものが地下で繁殖したのでしょう。
働きアリは体長4-4.5mm、体は細長くて黒色、大顎と脚は褐色です。また、頭部の後縁は角張っています。
肉食性で、生きた昆虫類やその卵を襲って餌にします。
オオハリアリはしばしば野外で信号機などに侵入し、リレー回線をショートさせた事例もあります。このアリの住み家、生息域の広さに基づく被害です。