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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

チャスジハエトリPlexippus paykulli Audouin

チャスジハエトリはハエトリグモ科Salticidaeに属し、日本各地および世界の温帯圏、熱帯圏チャスジハエトリに広く分布していま す。家屋内にすむ徘徊性のクモで、窓辺などに多くて跳びはねるような行動をするので英名ではハエトリグモの仲間をjumping-spiderと呼んでいます。
成虫は体長約10ミリ、黒色で背面中央に1本の白い縦条が通っているのが特徴です。体の割に太い脚をもち、単眼が大きく発達しています。ハエトリという和名のようにハエを捕えて餌にするクモです。巣は作りませんが、生活には常に糸を利用し、ハエを捕える時も糸を固定してそれを引きながらジャンプします。また、メスの歩行したあとに残された糸を道しるべにしてオスがメスに近づきます。
本種は1年に1世代の生活環をもち、成虫は5月頃から出現します。同属で近縁なミスジハエトリは単眼が鮮紅色を呈しているのが特徴です。