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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

セアカゴケグモLatrodectus mactans hasselti Fabricius

セアカゴケグモはヒメグモ科に属し、東南アジアからオーストラリアにかけて広く分布する著名な毒グモです。セアカゴケグモ古く1940年代に八重山群島に多く見られ、咬症の被害も発生しましたが、その後農薬散布などによって激減し、絶滅したとされていました。ところが近年、関西地方を中心に生息が確認されています。
成虫の体長はメス8-10ミリ、オス4-6ミリ、黒色で腹部は球形を呈し、腹部の背面と腹面に赤い斑紋をもつのが特徴です。和名のセアカは背赤を意味し、ゴケグモという名は交尾後にメスがオスを食い殺して未亡人(後家)になってしまうことに由来します。英名もウイドウスパイダー(未亡人のクモ)です。
ゴケグモの毒素は強い神経毒の高分子蛋白質α-latrotoxinで、咬まれると激しい筋肉痛、腹痛、頭痛を起こし、治癒までに2週間もかかることがあります。治癒には副腎皮質ホルモン含有の軟膏塗布が有効です。