害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修
害虫辞典
チャバネゴキブリ(Blattella germanica LINNE)
チャバネゴキブリはクロゴキブリなどのゴキブリ科とは違う
チャバネゴキブリ科に属しています。成虫は黄褐色で体長11~15ミリ、前胸背面に1対の黒斑があります。
アフリカ原産のため低温に弱いゴキブリですが、日本各地の暖房されたビル、マンション、飲食店、旅館の調理場などでは1年中繁殖をくり返しています。脚で飛ぶことはありますが、羽を使っての飛翔はできません。
チャバネゴキブリは複雑な配偶行動を進化させた昆虫です。メスの性フェロモンは体長に含まれており、触角でふれて感知したオスは羽を立て腹部背面の分泌腺から雄フェロモンを出します。雄フェロモンはメスの食慾をそそり、メスがこれを食べている間に交尾が成立します。
メスは腹端に約20日間卵鞘を保持し、約40匹の幼虫がふ化します。脱皮回数は6回、幼虫期間は約60日です。大型ゴキブリに比べて早く成長する特徴を
もっています。