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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

ワモンゴキブリ(Periplaneta americana LINNE)

ワモンゴキブリはアフリカ原産ですがワモンゴキブリ、今では世界的に分布をひろげており、アメリカゴキブリの別名をもっています。日本における分布はもともと南九州から種子島、奄美、沖縄方面でしたが、暖房がよくなったため北九州、四国はもちろん、本州にもすみつくようになりました。
成虫の体長は40~48ミリ、光沢のある褐色で、前胸部に黄白色の輪紋をもつのが特徴です。若齢幼虫は褐色ですが、成長するにしたがって赤褐色になり前胸の輪紋が現れてきます。

ワモンゴキブリは低温に弱く、休眠性がなく、20℃以下では活動できません。卵鞘中の卵数は14~18個、30~40日後に幼虫がふ化し、脱皮回数は11 回、幼虫期間は6か月です。
ワモンゴキブリは地下食品街、団地、旅館に多く生息し、かつて炭坑内で被覆電線をかじるので問題になりました。また、浄化槽に群をつくってすんでいること があります。