害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修
害虫辞典
クロバエの仲間
クロバエ科に属するオオクロバエ(Calliphoralata COQUILLETT)やケブカクロバエ(Aldrichinagrahami ALDRICHI)などの青黒色で丸みを帯びたハエを総称してクロバエと呼んでいます。
オオクロバエの成虫は大型で体長10~12mm、斜後方から見ると胸背が灰白粉で覆われ、ケブカクロバエに比べ胸背の模様が不鮮明です。
本州以南の平地では春と秋に成虫が現れ、盛夏に姿を消します。しかし、高冷地や北海道では夏季に成虫が発生します。幼虫の発生源は便池、動物の糞や死体、
厨茶などです。近年都市化の進んだ都会では減少しました。
ケブカクロバエは一見オオクロバエに似ていますが、オス成虫は複眼間の幅が広く、メスでは後方から見て胸背の黒い縦条がはっきりしているので区別できま
す。生態はオオクロバエに似ていますが都心にも多いハエです。
オオクロバエとケブカクロバエはいずれも幼虫の生息場所付近で蛹越冬をします。