キーワード検索

害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

チカイエカ(Culex pipiens Molestus Forskal)

チカイエカとアカイエカの形態的な差チカイエカの幼虫 はオスの外部生殖器と複眼中の個眼数の違いですが、分類の専門家でないと判別できず、幼虫ではさらに区別が困難です。しかし、卵塊の形は明らかに違いま す。アカイエカの舟形に対してチカイエカの卵塊はごま粒状です(図参照)。
日本では1942年に古井戸からチカイエカが発見され、都市化が進むにつれて、ビルの地下汚水槽、水洗便所の浄化槽、地下鉄の側溝で繁殖して都市の蚊にな りました。チカイエカの和名は幼虫が地価の水域で育つからです。チカイエカの卵塊チカイエカの生理・生 態的な特徴は「非休眠性」「狭所交尾性」「無吸血産卵性」です。チカイエカは短日条件になっても休眠せず低温に強いため冬でも吸血活動をします。他の蚊は 交尾の時に広い空間を必要としますが、チカイエカは狭い所で交尾可能です。さらに、吸血しなくても1回目の産卵ができます。2回目以降の産卵は吸血が必要 です。