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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

ケナガコナダニTyrophagus putrescentiae(SCHRANK)

ケナガコナダニはコナダニ科に属し、貯蔵食品を加害する頻度の最も高いダニです。ケナガコナダニ英名でcheese miteと呼ぶようにチーズからも高率に検出されます。
成虫で体長は0.3-0.5mm、乳白色で、ケナガという和名のように胴体部に多数の長い毛が生えているのが特徴です。室温25-28度、湿度75-85%がケナガコナダニにとって好適な条件であり、2週間以内で1世代を繰り返します。
ケナガコナダニは団地やマンションの「ダニ騒動」を起こします。このダニは食品のほかカビを好んで食べるので、畳や台所にカビが生えたとき異常な大発生を して「動く白い粉」が部屋中に広がってしまうのです。
ケナガコナダニは吸血や刺咬をしませんが、発生量が多いときに捕食性天敵のツメダニ類が繁殖してツメダニの刺咬による皮疹の被害を受けることになります。