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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

クワガタツメダニCheyletus malaccensis(OUDEMANS)

 クワガタツメダニは世界中に分布するツメダニ科の代表種です。ツメダニ類のクワガタツメダニ特徴は顎体部の触 肢<しょくし>が強大で末端に鋭い爪をもって いることであり、ツメダニという名前のいわれになっています。クワガタツメダニの触肢は他種より長く、鍬形の和名がつけられました。甲虫のクワガタムシと同じ意味です。
成虫は体長0.3-0.8mm、淡黄色を呈しています。雌雄で生活史が異なり、オスは卵 → 幼虫 → 若虫 → 成虫の順に発育しますが、メスは若虫のとき2つのステージを経過して成虫になります。雌雄が揃っていれば雌雄の両方が生まれますが、未受精のメスはオスに なる卵しか産みません。
メスの産卵数は一生涯に50-100個で、卵から成虫になるまでの発育日数は10-20日間です。本種の餌はケナガコナダニなどのコナダニ類ですが、人を刺咬して皮疹を起こします。皮疹の直径は大きく、直径5-10mmです。