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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

ヤケヒョウヒダニDermatophagoides pteronyssinus(TROUESSART)

ヤケヒョウダニはチリダニ科に属し、世界中に分布するヤケヒョウダニ(オス)室内塵のダニです。吸血や刺咬の害はありませんが、ヒョウヒダニの仲間で最もアレルゲン性の高い種類として近年注目されてきまし た。英名はhouse dust miteです。
成虫の体長は0.25-0.4mm、半透明の白色を呈し、脚はやや濃色です。本種は室内塵中の垢やふけ、繊維、カビなどを摂食し、室温25度、湿度75% の条件下では卵から成虫までの発育に34-40日を要します。また、若虫の時代に2つのステージを経過して成虫になります。 ヤケヒョウダニによるアレルギー性疾患は気管支喘息、鼻炎、結膜炎、ヤケヒョウダニ(メス)アトピー性皮膚炎などで、生きた虫体のほか死骸や糞もアレルゲンとして作用します。
本種の幼虫は60%以下の湿度になると死亡率が高く、50度以上で30分以内に死滅します。