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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

タバコシバンムシLasioderma serricorne(FABRICIUS)

タバコシバンムシはシバンムシ科に属し、ジンサンシバンムシと同様、穀類、タバコシバンムシの成虫穀粉、菓子類、乾果などを加害しますが、とくにタバコを食害するのが和名の由来であり、英名もTobacco beetle(タバコの甲虫)といいます。
成虫の体長は約2.5mm、赤褐色でジンサンシバンムシと似ていますが、体に丸味のあることや「虫めがね」図に示した触角の形で区別出来ます。
生活史もジンサンシバンムシに似ていますが、産卵数はやや多くて平均110卵です。
シバンムシ(死番虫)という和名は英名のdeathwatch(死時計)に由来します。古い時代のヨーロッパで、シバンムシが建材の孔道で発する異性への 信号音を被害を受けた葉巻タバコ「死の告知音」と受け取りdeathwatchの名前をつけました。日本で昆虫学の先駆者がwatchを時計と訳さずに「番」と誤 訳したのが和名の起源です。