害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修
害虫辞典
アメリカカンザイシロアリIncisitermes minor (Hagen)
アメリカカンザイシロアリはレイビシロアリ科Kalotermitidaeに属し、関東(東京、神奈川)、東海、関西、中国地方に分布しています。和名はアメリカから侵入した乾材シロアリの意味で、英名はdry-wood
termiteです。
体長は有翅虫6-8mm、兵アリ8-11mm、働きアリ(職アリ)8.5mmです。有翅虫は赤褐色ないし黒褐色、翅は褐色、前縁部は濃色、前翅長は9-10mmです。働きアリは黄白色、兵アリの頭部は濃褐色で円筒状、体長の1/3の長さがあります。
アメリカカンザイシロアリは特別の巣を作りませんが、建築物や家具類の乾材を食害し孔道の口からの砂粒状の糞が排出されます。
有翅虫の群飛は7~9月の日中に行われ、昼行性のため走光性はありません。
このシロアリは分布域を拡大しつつあり、今まで被害の出ていない地域も要注意です。