害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修
害虫辞典
クマネズミRattus rattus (Linnaeus)
クマネズミ属のクマネズミは日本全土に生息する家住性ネズミ(家ネズミ)です。原産地はマレー半島やインドなどのアジア南部ですが、現在では全世界に広く分布しており、英名をBlack
ratといいます。
成獣は体長18-24センチ、尾は体長より長くて26センチに達し、目や耳の大きいのが特徴です。背面は黒褐色、腹面はやや黄褐色味を帯びた白色で、個体によって色の変異があり、体重は約200gです。
主な生息場所は屋内で、日本においては最近とくに都市に増えています。寿命は約3年、繁殖可能期間は生後3ヶ月から2年、1回の産仔数は約6匹です。
登はん力が強く、尾を使って体のバランスをとりながら電線などを渡り歩くのが得意です。歩いた部分が汚れて変色し、クマネズミ存在の証拠となり、これを「ラットサイン」(rat
sign)と呼んでいます。