害虫辞典 日本昆虫学会会名誉会長 安富和男氏監修

ヌカカ

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蚊帳や網戸もくぐり抜ける糠のように小さな蚊・ヌカカ

ヌカカは双翅目<そうしもく>の糸角<しかく>群、ヌカカ科に属する昆虫で、世界から約4,000種、ニワトリヌカカ日本からは15属225種記録されています。和名のヌカカは糠のように小さな蚊を意味し、吸血性の種類は体長0.6ミリから1ミリ、翅長<しちょう>0.9-1.3ミリに過ぎません。人や哺乳類、鳥類から吸血するのはヌカカCulicoides属の大部分とクロヌカカLeptoconopus属、
ケブカヌカカForcipomyia属の一部です。吸血性のヌカカ類は透明な翅に暗色の斑紋を装うものが多く、分類上の特徴になっています。

体が微小なため、蚊帳<かや>や網戸の目をくぐり抜けて侵入したり、袖口や毛髪の中にも潜り込んで吸血する厄介な衛生害虫です。

メスが吸血するのは蚊と同じですが、蚊と違って刺咬された直後はあまり痒くありませんが、後遺症が大きく1日-3日後に激しい痒みと腫れが起こって完治までに1週間もかかります。また、吸血だけでなく、吸血にともなって家畜や家禽に伝染病の病原体(線虫、原虫、ウィルスなど)を媒介する種類もいますが、日本では人の病気を媒介するものはありません。

ヌカカは防除がなかなかやっかいな昆虫です

ヌカカ類の食性は幅広くて温血動物から吸血する種類のほかに、トンボ、ウスバカゲロウ、鱗翅類などの翅脈<しみゃく>やカマキリ、イソヌカカの翅

カメムシ、ナナフシなどの体表に外部寄生して体液を吸うもの、小昆虫を捕食するもの、花の蜜を吸うものがあります。

活動時間帯は昼間、夜間、早朝と夕方など種類によってさまざまです。成虫の出現期は春から秋に及びますが、活動の最盛期は6月-7月です。

長楕円形の卵は卵塊として水辺の草や石などに産みつけられ、ふ化した幼虫は細長くて灰白色の線虫状です。しかし、ケブカヌカカ属の幼虫はケムシ状で行動もケムシに似ています。

幼虫の多くは水生で、生息場所は水田、沼、池、渓流、緩流、湧き水、樹洞の溜まり水、海浜の干満潮線の間、原生林内の湿った植土層などですが、堆肥や土壌中を生息場所にする種類もあります。

ヌカカは幼虫の発生源、成虫の生息域が非常に広大なため難防除昆虫の一つです。幼虫対策としては土地改良や湿地などの生息域に殺虫剤を散布する方法があります。成虫の防御では防虫網の網戸はほとんど役に立ちませんが忌避剤(リペレント)が有効です。とくにジエチルトルアミド(ディート)を配した防虫スプレーはよく効きます。ヌカカはヤブカなどと違って肌着の下にも潜入するので、袖口や首すじにも防虫スプレーを丹念に処理する必要があります。

ヌカカに刺咬された部位の症状が激しい場合にはジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミンのいずれかを主成分とした「痒み止め薬」が有効です。軟膏、乳液などが市販されています。

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