害虫辞典 日本昆虫学会会名誉会長 安富和男氏監修

シナハマダラカ

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シナハマダラカは日本の代表的なハマハマダラカダラカであり、和名のように翅に斑(まだら)模様が入っています。人から吸血する時も物に静止するときも腹端を上にあげる特徴があり、イエカやヤブカの仲間と容易に区別できます。卵は水面に花模様のように産まれ、卵の両側には浮き袋をそなえて浮かんでいます(写真参照)。幼虫の発生源は水田や沼などで、水面に体を平にして浮かぶ習性を持っています。この蚊はマラリヤ原虫の媒介者として有名であり、越冬態は成虫です。

アシマダラヌマカは代表的なヌマカで、幼虫は水中を泳ぎません。幼虫の呼吸管は堅い三角錐状で、これを水草の根や茎にさしこみ、植物体から空気をとりいれています。流れてくる餌を口で捕らえて食べるので泳ぐ必要がないのです。蛹も呼吸角を水草にさして呼吸しています。生息地は沼沢地です。

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