害虫辞典 日本昆虫学会会名誉会長 安富和男氏監修

チャタテムシ

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チャタテムシの仲間

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茶をたてる時に似た音を出すところから命名された茶立虫

チャタテムシの仲間はチャタテムシ目<もく>(噛虫目<こうちゅうもく>)Psocopteraとしてコチャタテまとめられ、日本から20科92種、世界からは3,000種以上が記録されています。チャタテムシは今から2億7,000万年前の古生代ニ畳紀に現れ、シラミに最も類縁が近く、半翅類やアザミウマ類とも近縁なグループです。

和名のチャタテムシ(茶立虫)はスカシチャタテの出す音(鳴き声)が茶筌(ちゃせん)で茶をたてる時の音に似ているのにちなんで命名されたものです。英
名のbooklouse(本ジラミ)は古書でよく見かけるからであり、シラミと近縁なことをよく表現しています。

チャタテムシ類は体長0.5ミリ~10ミリ、多くは3ミリ以下の微小な昆虫ですが、例外的なものとして新熱帯区にすむ種類に翅を開くと25ミリに達するものがあります。

もともと有翅の昆虫ですが、屋内にすみついた種類の多くは翅を欠くか、翅が鱗片状<りんぺんじょう>に退化しています。口器は原始的な咬み型であり、半翅類に見られる吸収口式への移行段階を呈しています。口器の形態からも半翅類との縁の近さがうかがえます。

大多数のチャタテムシは野外に生息し、ほとんどが有翅です。植物の葉、樹幹、岩の表面でカビや地衣<ちい>類を餌としています。

家屋内をすみかにするチャタテムシはコチャタテ科やコナチャタテ科の一部で、日本から約10種が知られ、体長は1.5ミリ以下です。カビ、動植物の乾燥標本、穀類などを加害し、不快害虫、食品の混入異物となり、また古書などの糊も食べる文化財の害虫でもあります。多湿な場所を好み、風呂場の壁面や気密性の高い家屋でしばしば大発生して問題を起こします。


基本的には単独生活の茶立虫、中にはオスがいない種類も

チャタテムシは一般に有性生殖であり、雌雄で交尾したあと産卵しますが、ヒラタチャタテはもっぱら単為生殖(単性生殖、処女生殖)ヒラタチャタテによって繁殖するのでオスはいません。チャタテムシの発育は不完全変態であり、幼虫は6齢を経過して成虫になります。産卵したあと、卵を糸でおおったり、糞を塗りつけて保護する種類もあります。

チャタテムシは成虫、幼虫とも基本的に単独生活ですが、熱帯地方には樹幹に大きな絹の綱を張り、その下で集団生活を営む種類があります。

コチャタテ科やスカシチャタテ科の数種は交尾期に発音する習性をもっています。発音部位は口器、腹端、脚の3つに大別されます。

コチャタテやツヤコチャタテは口器で発音するという観察例が多く、大顎<おおあご>または小顎<こあご>ひげで紙を叩く、こすると表現されています。腹端で壁面を叩く種類もあるようです。

スカシチャタテは「虫めがね」で述べたように後脚<うしろあし>の基部に発音器官をもっています。主にオスが発音してメスへのシグナルとします。古くは「隠れ座頭」という妖怪が夜中に音を出すと考えられた時代もありました。

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