クモの仲間
カバキコマチグモはフクログモ科に属し、北海道、本州、四国、九州と韓国、中国に分布しています。
成体(成虫)は体長10-15ミリ、褐色で顎と下唇部は黒色、大きな黒い牙(きば)をもっているのが特徴です。1対の牙の先端には毒腺が開口しています。
カバキコマチグモは日本在来種の中で最も毒が強く、咬まれる事例も多いクモです。毒素は高分子蛋白質からなり、主成分としてエピネフリン、ノルエピネフリン、セロトニンなどが含まれています。
本種はススキのようなイネ科植物の葉を糸で巻いてチマキ状の巣を作り、住居、産卵、育児の目的に使います。メスは産卵後、幼虫がふ化して1回目の脱皮が終わるまで巣にこもって守り、脱皮した幼虫は母親の体液を吸って育ちます。咬まれる被害は草刈り作業中に多く発生し、激痛、発赤、腫脹<しゅちょう>などの局所症状から全身症状に及ぶこともあります。
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