皮膚炎を起こす毛虫と蛾の仲間
日本には17種のイラガ類が生息しており、いずれも幼虫は毒棘をもっているのでふれると痛い目にあいます。代表種のイラガは北海道、本州、四国、九州に分布し、幼虫の体は幅広くて太く、柱状の肉質突起には多くの棘<トゲ>が生えています。
ドクガによる皮膚炎はふれたあと少し時間をおいてから蕁麻疹様の症状が現れますが、イラガの場合は毒棘にふれた瞬間に激痛を威じ発赤を起こします。イラムシという方言のほか3年疼き<ウズキ>の別名もあります。
幼虫の食樹はカキ、サクラ、ウメ、アンズ、クリ、ザクロ、カエデなどですが、特にカキの葉に多いので要注意です。
幼虫は7月から秋に見られ、木の枝にスズメの卵を思わせる繭を作ります。繭は硬くて白く黒条紋があり、繭の中で前繭<ゼンヨウ>状態のまま越冬し、春に蛹をへて成虫が羽化します。成虫には毒棘がないので無毒です。
皮膚炎を起こす毛虫と蛾の仲間