害虫辞典 日本昆虫学会会名誉会長 安富和男氏監修

ジョロウグモ

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ジョロウグモはアシナガグモ科Tetragnathidaeに属し、北海道を除くニホン各地と東南アジアにジョロウグモ分布する人里に多いクモです。

成虫の体格は雌雄で大きな差があり、メスは17-30ミリ、オスは6-10ミリです。色彩も雌雄で違います。メスの腹部背面は黄色に青い横縞模様をもち、腹部下面には赤い斑紋があるのに対して、オスの腹部は黄褐色で中央に褐色の縦紋をもっています。

メスは馬蹄形の主網とその前後に不規則網のある複雑な三重網を作ります。メスは主網の中央にいて、前後の不規則網は天敵を防ぐ役目をするようです。オスは自分で造網せず、メスの網の端に静止しています。
1年1世代の生活環であり、晩秋の頃、樹幹に産みつけられた卵嚢中の卵が越冬します。
ジョロウグモは咬みつく毒グモではありませんが、クモ糸が眼に入ると結膜の充血や出血などの障害を起こします。

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