害虫辞典 日本昆虫学会会名誉会長 安富和男氏監修

コクゾウ

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乾燥食品を加害する甲虫類の仲間

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コクゾウはオサゾウムシ科に属し、コメ、ムギ、トウモロコシなどの穀類を食害する甲虫で、とくに米粒が被害を受けやすく、日本では江戸時代から「米の虫」と呼ばれていました。ゾウという和名は成虫の長い口吻を象の鼻に見立てたものです。分布は全世界に及びます。

成虫の体長は2.5~3.5mm、黒褐色で翅鞘<ししょう>(さやばね)に計4個の赤褐色斑があります(写真参照)。寿命は平均4カ月で、約200個の卵を産みます。

孵化した幼虫は穀粒内に食入し、穀粒の中で蛹化し、羽化した成虫が脱出します。卵から羽化までの発育期間は約1カ月です。成虫は飛翔力があり、主に野外で成虫越冬します。

コクゾウの成虫

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